鳩山首相「発言の耐えられない軽さ」 朝鮮学校問題でまたまたぶれる(J-CASTニュース)

 鳩山政権の目玉政策のひとつである高校授業料の実質無償化をめぐり、政権内に新たな火種が起きつつある。鳩山首相が朝鮮学校を無償化の対象から外す対象にする考えを示唆したのに対して、社民党は「在日の朝鮮学校に通う高校生たちの気持ちを思っていただきたい」と反発。これに対して、鳩山首相は「これから予算委員会でも議論していただいて、最終的に、省令として文科省を中心となって決めていただければ」とトーンダウンし、またしても発言のぶれが浮き彫りになった形だ。

 朝鮮学校のうち、高校の課程に相当する「高級学校」は国内に10校あり、約2000人が学んでいる。文科省の位置付けでは、朝鮮学校は学校教育法で定める「学校」ではなく、日本語学校や予備校、インターナショナルスクールと同様の「各種学校」に区分されている。

■朝鮮学校無償化外しに社民党が反対姿勢

 無償化法案では、高校と同等とみなされる「各種学校」にも、私立高校同様に、生徒1人あたり年額約12万円の「就学支援金」が支払われるとされている。支払い対象は、法案通過後に省令で定められることになっているが、その基準をめぐり、政権内が揺れている。

 無償化の対象をめぐる議論は、中井洽拉致問題担当相が、「(日本政府が)北朝鮮に制裁を行っていることを十分に考慮すべき」と問題提起したことがきっかけだ。これを受ける形で、鳩山首相は高校無償化法案が衆院で審議入りした2010年2月25日と翌26日の2日連続で、「朝鮮学校がどういうことを教えているのか、指導内容が必ずしも見えない」とし、拉致問題との関連は否定しながらも、朝鮮学校を無償化の対象から外す方針を示唆した。

 これに対して反対姿勢を示したのが社民党だ。

 2月26日には社民党党首の福島瑞穂少子化相が閣議後会見で

  「できる限り多くの子どもたちを応援するという立場であるべきだ」

と述べたのに続いて、3月2日には、国会の場にも論戦が持ち込された。

 社民党の阿部知子政審会長は、同日午前の衆院予算委員会で質問に立ち、鳩山首相の発言を

  「日頃総理がおっしゃる友愛、あるいは『日本が北東アジアならびに世界の中で本当の友愛を示していく』ということから見て、総理の真意が十分伝わっていないのではないか」

とした上で、「すでにカリキュラム等々も公開されているところ」と、鳩山首相の「指導内容が見えない」との発言に反論した。その上で、首相に朝鮮学校生徒との面会を求めたのだ。

■朝鮮学校生徒との面会に意欲示す

  「総理には、ぜひ、この言葉(編注: 無償化対象を示唆した発言)を聞いた2000人あまりの在日の朝鮮学校に通う高校生たちの気持ちを思っていただきたいと思う。総理が、これから先、この子たちが、日本と朝鮮半島、あるいは、世界との本当の友愛を担う何よりの人材であると思うのであれば、まず、そうした発言の前に、そうした高校生と会ってみてくださらないか」

 これに対して、鳩山首相は

  「私も、ぜひお目にかからせていただければと思っている。私が、様々発言を申し上げたこと、必ずしも真意が伝わっていないかも知れない。その子たちのことを当然、思わないわけではない」

と面会に意欲を示し、肝心の対象除外についてもこんな発言をした。

  「これから、予算委員会でも議論していただいて、最終的に、省令として文科省を中心となって決めていただければと思っているところ。その前に、あるいはそのような状況の中で、子どもたちにお会いすることは、私としても、多いに結構だと思っている」

 すっかり発言がトーンダウンし、社民党の方向にまたまた「ぶれた」とも言われかねない。10分あった質問の持ち時間の全てを朝鮮学校の問題に費やした阿部氏は

  「鳩山総理らしい答弁で、安堵いたしました」

と、満足げだった。

 鳩山首相の発言をめぐっては、これまでにも縄県の米軍普天間基地の移設問題や、いわゆる「政治とカネ」をめぐる問題、さらには民主党の目玉政策でもある「子ども手当」の満額支給についての方針でも「ブレ」が指摘されており、政権内で混乱が起こることも多い。


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